テレビで取り上げられることも多くなってきた自然薯堀りですが、とても楽しそうですよね?しかし楽しむためには、必要な道具や許可、ノウハウが必要になってきます。まず知識として基本をおさえておきましょう。
自己紹介です!
宮崎県の「天然自然薯専門店ハートリーフ」代表の久美田と申します。天然自然薯のことなら私にお任せください。
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天然自然薯マイスターとしてメディア出演多数「満点☆青空レストラン」「the 鉄腕DASH」「旅サラダ」他…
- まずは掘る場所の許可取りやマナー
- 掘れる時期はいつ頃なのか?
- 必要な道具は?
- 具体的な掘り方
という順序で解説いたします。
許可を受けていない場所での自然薯堀りは窃盗罪に当たる可能性があります。
絶対にやめましょう!
自然薯の見つけ方は別記事にまとめてあります。確認しておきたい方はどうぞ↓
この記事の目次
ダメ!「許可なし」と「掘りっぱなし」
まず、許可取りとマナーの話からさせてください。なぜなら大きなトラブルになったり、人命に関わる大変重要な部分です。必ず知識として押さえておきましょう。
許可取りの方法
無許可で掘っていた場合は、山の持ち主の方に通報されて車をおさえられ、警察署へ・・・ということになります。
許可取りは何より大事です。
それでも気になる山があった場合はどうするのか?
山の所有者がわかりませんので、私の場合地域の人に聴き回ります。その山の所有者または、親戚の方など探し許可を受けます。その際名刺なども渡し、電話番号も聞ければ聞いておきます。今後役立ちます。
交渉には誠実さが何より大事です。
果物など高すぎない手土産があるとスムーズに交渉できたりします。
山に入ったら守るべきマナーとは?
そうしてなんとか許可を得て、山に入れるわけですが、人様の山です。「きた時よりも美しく」の精神でゴミを捨てないなど、基本的なマナーを守りましょう。
そして一番大事なことは、自然薯を掘ったら徹底的に埋め戻します!!
なぜなら深さ1メートルから2メートルの穴を掘りっぱなしにしておくと命に関わります。穴のサイズによっては高齢の方は、はい上がる力がなかったり、足や腰の骨を折ったりまず無傷では済まないでしょう。
埋め戻す意識のない人は絶対に自然薯を掘ってはいけません。最悪のケースを想定して、”くぼみ”もないほどしっかり埋め戻しましょう。
このことは山主さんもとても気にされる点です。交渉の際に「必ず埋め戻し元の状態に戻します」ということは自分から言いましょう。
そしてもし、山に入らせてもらった時に、既にマナーのわるい先客が「掘りっぱなし」にしていた場合、少ない数なら面倒ですが埋めておきましょう。
自分の掘る自然薯がないほど「掘りっぱなし」の数が多ければ、山主さんに報告して山を出ます。なぜなら自分がやったわけではないことを確認してもらうためです。次につながるようにします。
掘れる時期はいつ頃?
次は掘れる時期に関してです。自然薯を掘って収穫できる時期は下記の図の通りです。
10月から4月が掘ることのできる期間ですが、葉が枯れる前に見つけやすいのは11月から12月、その期間と自然薯の味がよくなる時期が重なる、ベストな時期は葉っぱが黄色く色づく頃、11月から12月になります。
自然薯の時期について詳しく解説しています。掘れる時期、美味しい時期、見つけやすい時期など↓
一番、味がいいのは12月後半から2月です。しかしツルが枯れてしまいとっても探すのが難しくなります。ツルが枯れた後の探し方はこちら↓
≫【冬】ツルが枯れてからの天然自然薯の見つけ方・探し方by天然自然薯マイスター
必要な道具や服装は?
山の中に分け入りますので服装や道具がとっても重要です、怖いのはマムシやスズメバチ、マダニ(噛まれると高熱が出ることがあります)などです。
服装の解説
- 帽子
(上着のフードも、藪に入る時など役立ちます) - シャカシャカの上下、雨がっぱも可
(マダニの付着を防ぎます虫除けスプレーも効果的) - 厚手の雨靴
(マムシ対策です) - グリップのついた手袋
(棘のあるヤブをかき分けたり、素手では危険です)
マダニとマムシは服装で一応の対策ができるとして、スズメバチは服装では対策しようがありません、凄まじい羽音が、自分に向かってきていると感じたら全力で逃げ、竹藪など入り組んだ場所に飛び込みましょう。
気をつけていれば、羽音で先に気付く事ができますので、落ち着いてゆっくり移動する事が重要です。
自然薯堀りに必要な道具は?
自然薯掘りが盛んな地域、南九州ではこちらの「きんつ」と呼ばれる専門の道具1本で掘ります。
しかしこれは特注で鍛冶屋さんに作ってもらう物なので、手に入りにくいです。
そこで自然薯掘りに適したスコップもご紹介します↓
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マイスター
実際にこれを使うプロの人も多いです。
「きんつ」のように柄は長くないですが力が入りやすく、土も上げやすいので、初心者の方にはおすすめです。
あとは、あるといいものとしては
- 鎌やナタ
- 小型ノコギリ
- 自然薯を入れる袋
- 飲み物(冬でも汗をかきます)など
ですが身軽な方がいいので、厳選していくといいと思います。
天然自然薯は南九州が本場です。明確な理由付きで解説している記事はこちら
具体的な自然薯の掘り方
さあ準備万端でいよいよ自然薯を掘って行きますが、ツルの根元を発見したところから解説いたしますので、ツルの見つけ方などは下記リンクから確認してください。
マイスター
まずは流れの確認
- ツルの根元を発見
- 30センチ手前からツル真下に向かって掘り、自然薯が入っていることを確認
- 自然薯の両サイド・手前を掘り下げながら土を上げていく
- 自然薯の近くは傷つけないように手が届くなら手で土をこそぐ
- ③④を繰り返し、土を上げにくくなったら、自然薯とさらに距離を広げ角度を広げていく
- ③④⑤を繰り返し限界まで掘る。そして収穫
- 穴を確実に埋める
一つ一つ写真や図で解説して行きます。
①ツルの根元を発見
このツルの根元まで見つけたら、わかりやすいように目印をしておきましょう。例えば竹を差すとか、下の写真ように目立つような工夫をしておくと、わからなくなって困ることがなくなります。
②ツルの手前から掘り始める
それではツル手前30cmくらいから掘って行きます。なぜ根元から掘らないのかというと、根元は翌年の種芋に残しておくからです。
横からの断面図で解説します。
ツルの真下に向かって手前から掘って地中で自然薯に出会うようなイメージです。
写真で見るとこんな感じで赤いところから掘って地中の自然薯を探って行きます。
ツルの真下あたりまで来たら慎重に土を削り取って行きます。そして・・・
サクッという感触と共に、真っ白な自然薯が見えました!ここは種芋になる部分なので傷つけてしまっても大丈夫!
次はこの白い自然薯が見えたところを中心に、両サイド・手前を掘り下げて行きます。
③自然薯の両サイド・手前を掘っていく!
実際に自然薯が見えたら、自然薯を中心に両サイドを掘って行きます。
左をザクザク、スコップは外側に向けて
右をザクザク
自然薯の両サイドを少しずつ深く削って行きます。そうすると、土が手前に溜まってきます。自然薯の手前の空間も広げてあげつつ、土を上げて行きます
穴の手前を広げるようにスコップを垂直に打ち込みます、そしてゆっくり土を引き上げます。
手前に垂直に打ち込むと、自然薯に差し込む可能性がありません。スコップの曲がりを利用して土を上げます。
土質によっては土がパラパラと落ちて上がりにくい場所もあると思います、そんな時はこの後紹介する、
「⑤土を上げにくくなったら、自然薯とさらに距離を広げ角度をつけていく」の作業を早めにしていくといいです。
土を上げるときは必ず穴の両サイドにあげましょう。埋め戻す時とっても楽です。
④自然薯の近くは傷つけないように!手が届くなら手で土をこそぐ
自然薯には傷をつけないように掘るので、必然的に、自然薯の周りの土は残ります。自然薯の位置や曲がりを確認したいときは手で土をこそぎましょう。
写真ではわかりにくいですが、人差し指と中指の間に自然薯があります。
絶対に頭を突っ込まないようにしてください!!穴に”はまって”死亡した事例があります。必ず重心は後ろに残しましょう。
マイスター
手が届かなくなったら、無理はせず勘で掘ったり、広めに掘ったりします。どうしても確認したいときは、自然薯に少し傷をつけると真っ白で目立ちます、そうして位置を確認しながら掘って行きます。
⑤土を上げにくくなったら、自然薯とさらに距離を広げ角度をつけていく
このまま掘っていくと、どんどん垂直に近くなっていき、角度がなく、土をあげにくくなって行きます。
そこで下図の赤い部分。少し自分と自然薯の距離をとって、手前に掘り広げて角度を浅くします。
そうすることで土を上げやすくなり、さらに深く掘っていく事ができます。
横幅は極力広げないようにしましょう。穴に頭から入り込んでしまう危険性が増えます。
⑥ 3〜5を繰り返し。収穫まで。
③、④、⑤を繰り返し、深く掘りますが、どこまで掘るのかというと・・・
- いくらやってもなかなか土が上がらなくなった場合
- 自然薯が下の方では確認できなくなった場合、もう自然薯のお尻のさらに下まで掘っている可能性があります。
どこかの時点で、掘りをやめる決断をします。(まだ下があったとしても折って収穫するという決断)
収穫の手順
①穴の一番下の部分、そして自然薯真下の延長線上にスコップを打ち込みます。
この打ち込んだ時、自然薯が下までまだ伸びていればカットできますし、自然薯のお尻の下まで掘れていれば、手応えはありません。
②穴一番上の方をカット
最初に傷をつけたあたり、穴の一番上の方をカットします。
この時点では自然薯の背中は土に密着しているので、通常は倒れてきません。
もし自然薯が土からはずれて揺れているような状態なら、自然薯をしっかり持ちながらカットしましょう。
③収穫
あとは自然薯の上の方を持って、引き抜くように収穫するのみです。
- 一番下がしっかりカットできていない可能性があります。その場合はもう一度スコップを打ち込みましょう。
- 自然薯の周りの土をもう少し丁寧に剥がしてみましょう。
- 自然薯が枝分かれしていると、なかなか引き抜けなかったりします。ある程度諦めて、周りの枝部分はカットするといいでしょう。
下まで全部引き上げるために、折らないように慎重に取り掛かりましょう。
もし折れてしまって、手の届かないところに自然薯が残った場合も絶対に頭を突っ込んではいけません!!
スコップでなんとか引き上げたり、そこらへんにあるツルで輪っかを作って自然薯を引っ掛けて引き上げましょう!
⑦来年もちゃんと掘れる埋め戻し方
掘ったら、喜ぶ前にまず穴を埋めましょう!!
しっかり埋めれば時期によっては来年、再来年にまた掘れます。その埋め戻し方をご紹介します。
穴の両サイドの土を全部入れ、埋め戻します。掘った以上の土を周りからこそいで集めて埋めるような感じです。
そして踏み固めます。踏み固めが甘かったり、土の量が少ないと、雨の時などに、くぼんでしまいますので、掘った以上の土を踏み込むようにしましょう。
そして来年のために必要なのはツルの真下に空間を作らないようにする事です。下図
最後に全体をチェックして終了!
まとめ
今回は自然薯の掘り方をできるだけ丁寧に説明させていただきました。実際には掘る方法がわかってもなかなかうまくいかないと思います、経験を重ねて少しずつコツがわかってくるような感じです。頑張りましょう!
こんな自然薯掘れると、最高です。掘り始めた時にアドレナリンがどくどく出ます。
随時、加筆修正していくと思いますので、疑問点などありましたら、お問い合わせよりご連絡いただけると幸いです。
マイスター
私は祖父の代から続く天然自然薯仲買の3代目です。
毎日100本前後、天然自然薯を入荷しています。
それをさらに厳選して
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✅ プロの自然薯の掘り方ってどんな感じ?
✅ 必要な道具ってどんなもの?
✅ 掘れる時期はいつ頃?
✅ どこでも掘っていいの?
など徹底解説する記事です。